BoYoSTUDIOは北海道登別市にある一級建築士事務所で、山下さんご夫妻が活動してきたヤマシタ建築計画を法人化したものだ。BoYoSTUDIOがある登別は道南と呼ばれ、道北の旭川にいる我々の地域とはまた違った風景が広がっている。海沿いに隣の室蘭市や伊達市などがつながったような経済圏で、隣町まで何十キロもあるという北海道のイメージとは遠い。北海道は広いのだ。ちなみに、事務所のある地区は「望洋団地」と言う。社名の由来でもある。法人化にあたって、ロゴや名刺など、一連の制作物を依頼された。
お二人は共に札幌の設計事務所に勤めていて独立した。尚哉さんの地元である登別に移り住み、札幌時代とは異なる様々な業種の方々との交流を通じて、地域においてのまちづくりや、それらに関わる建築士としての役割に目覚めていったようだ。そんなお二人を見ながら、地域にとってのクリエイターは灯台のようだと思った。室蘭やきとりの店を出てすぐに3人で地球岬の灯台を見に行った。あいにくの霧で何も見えなかったが、その体験がグラフィックのイメージを固めていった。