原崎さんとの出会いは2016年。名刺のデザインをしてくれる人を探している人がいると異業種交流会の事務局からご紹介いただいた。お話を伺うと、六次化など原崎さんが考えている将来の姿がなんとなく見えてきて、ロゴやツールなどのデザインもした方がよいとお話した。ただ、今ロゴなどのデザインをしても名刺以外に使い道がない。そこで、デザインは起こすが、初回は名刺のデザインのみを採用してもらい、名刺以外に使いたいという時に、ロゴなどのデザイン料を清算してもらう形をとった。
農家のデザインは特に難しい。野菜や米など、農家ごとに栽培方法や味も全然違うが、出荷される農作物を見ただけではその違いはわからない。そこで、考え方や個性として光るものがないか探すのだが、印象的だったのは「野菜を作る」とは言わないという話。作っているのではなく「育てている」と。できあがったロゴは農作物が「育つ」ようすをモチーフにしている。名刺も同じように膨らんでいるような形状にしたが、これが好評だったようで、以降、原崎さんの「やりたいこと」もどんどん膨らんでいった。