くまだ株式会社は旭川の水産加工会社だ。鰹節などの乾物や鮮魚を加工し、スーパーなどに卸している。旭川で行われたパッケージデザインのセミナーでご一緒した縁で、自社商品のパッケージデザインについて相談を受けたのがはじまりだ。その頃は漬魚の新しい商品を開発中で、ギフト商品として今までの取引先とは違う販路を模索していた。パッケージは、それにふさわしいデザインになるように考えていった。
最初に手がけた「塩麹と酒粕の北海道二段仕込み」は、2013年に観光庁が行なった「世界にも通用する究極のお土産」品評会で9品のうちの一つに選ばれた。応募総数747点からの選出だ。これをきっかけに、スーパーがメインの取引先だった同社は、百貨店やカタログギフトなど、新たな販路を開拓するに至った。他にも、平置きが定番だった乾物売り場で自立して陳列できる「海のかけら」など、他の商品も担当することになった。