諸事情に代わって年末に出せる安いお酒を…。色々な方法が検討されたが、それらは「やってみるべ部」でやってみるプロジェクトとして世に出すことになった。
打ち合わせのために、札幌から来旭していたコピーライターの鈴木拓磨と男山へ向かう前に、年末年始のお酒について話をしていた。その時、どこの酒蔵のお酒も毎年余る、という話を思い出した。日本酒には賞味期限がない。余っても翌年以降に販売しても良いのだが、そうすると新しい酒をしぼることができない。ましてコロナ禍で冷え込んだ需要だ。
だが、我々はその「余ったお酒」を一度世に出している。そう「諸事情」だ。しかも諸事情で、日本酒はブレンドで美味しくなることを知っている。では、その年に余った酒をブレンドして出したら…? 即興でこのコンセプトをコピーに落とし込んでもらい、それを持って打ち合わせへ向かった。こうして「酒蔵を救う酒」は誕生した。
この商品もネーミングが肝だと思っていた。ラベルのデザインはそのコンセプトを伝えるため、コピーライティングをメインにした。鈴木拓磨から上がってきたネーミングは「好都合」。在庫処分できる酒蔵にも、安く飲める人にも都合のいいお酒だ。このお酒は毎年味が変わる。その年に余ったお酒によるからだ。だから、年の表記は必要。そこに、SNSの「いいね」をイメージしたハートを加えた。きっとみんなが「いいね」したくなる商品になると考えたからだ。
四合瓶の不足で、2022のように純米酒に緑色の瓶を使うことができず、普通酒との差別化をはかるために、普通酒は900mlの瓶を使うことにした。容量アップでよりお得だ。純米酒の方は赤いハートを金の箔押しにした。またこの年は、使えなかった米があり、それを辛口のスパークリング日本酒にした。
2022.10〜
AD: ゲンママコト
D: ゲンママコト
C: 鈴木拓磨
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