「北の稲穂」は北海道産の酒造好適米を使ったシリーズで、当時は普通酒と純米酒が販売されていた。そこに大吟醸を加えるということで、始めはラベルの印刷メーカーにデザインを依頼、どうも納得のいくものにならないと、カギカッコに「相談」があった。
見るとなるほど、既存の普通酒や純米酒のデザインを基にしたもので、「大吟醸」の扱いに困っているような印象だった。そこで、ラベルに掲載する情報を一度精査しましょうと話をして、さまざまなパターンで文字情報を組んだものを用意、ワークショップ形式で情報の要不要を精査していった。
(画像は男山Webサイトより引用)
ちなみに、この時点でまだデザインの依頼をされていたわけではなかった。
精査した方法は、ロゴ、タイトル文字、大吟醸の文字、それぞれのラベル内での大きさのバランスや組み方を変え、何が大事な情報かを話し合いながら、実際に瓶にラベルを貼って検証するというもの。そうして情報を整理してから、次は色やグラフィックを考えましょうと話をした。
筆文字のタイトルを用意し、前回のワークショプで決定したバランスで、実際のラベルを想定したものを複数個作成、この時点では検証用にラフなものばかりを作成したが、ひとつだけ稲穂をイメージしたグラフィックを忍ばせた。これが満場一致でラベルとして採用となった。プロセスを共有してきたからこそ、グラフィックの力を皆が実感した案件だ。
販売も好調で、国内のみならず海外でも好評だ。この仕事をきっかけに、「デザインでモノが売れる」という認識が社内でも広がったようで、以降様々な商品を手掛けるようになった。
2017.10
AD:ゲンママコト
D:ゲンママコト
その他のプロジェクト