男山株式会社

特濃にごり

ラベルデザイン

実はにごり酒には固定ファンが一定数いるそうで、人気の商品だそうだ。男山のにごり酒は、ものすごくドロドロで超濃厚。好きな人にはたまらないものだという。新しい機械を入れることでさらにドロドロになるそうで、にごり酒好きに「刺さる」表現ができないかと、生まれ変わるにごり酒のラベルデザインがはじまった。
まずはネーミング。ここはストレートに「男山特濃にごり」とした。問題はラベルだ。まず、透明な瓶を使用することは決まっていた、そこに白いドロドロのお酒が入る。ただ、瓶にお酒が入った状態では、その特徴が分かりにくい。そこで、視覚的にドロドロ感を出すために、液体が滴るような形状にして、それを白で表現しようと考えた。白い背景に白いラベルが上品だ。タイトル文字も工夫が欲しいと考えて、文字の形状に穴を開けようと考えた。

 

文字の部分を型抜きで穴を開け、初回ロットは製造された。ところが、完成したラベルは機械で貼ることができず、全て手貼りになった。穴が空いているために、吸着させることができなかったためだった。

実は、タイトル文字を穴あけにするために、トムソンの型をつくるのだが、刃を曲げて成形する関係で、どうしても当初の文字のディテールを再現できず、何度も型屋さんとやりとりをしていた。そこで考えを変え、透明なシールに白を印刷する方法に切り替えたのだが、白印刷はどうしても透けてしまう。色々な方法を模索して、白の「箔押し」にすることで、透けの問題を解決した。

首かけラベルも同様に透明なフィルムに白の箔押しで製作した。ネーミングはストレートにしたが、このドロドロをコピーでも表現するべきだと、ちょっとした遊び心のある表現にしている。

このように、製造に入ってから問題が見つかることもあるため、そこを改善するのもデザイナーの大切な仕事だ。「つくっておわり」ではない関係性が必要だと改めてわかる。

2021.11
AD: ゲンママコト
D: ゲンママコト
C: 鈴木拓磨

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