北海道中川町

商品単体よりも町のファンを増やす

きっかけは中川町商工会からの依頼。道の補助金を利用した特産品開発でハスカップサイダーを考えており、そのパッケージデザインをお願いできないかという話だった。ただ当時、中川町の認知度は低く、ハスカップサイダーは道内で珍しいものではなかった。地方の商品開発の前提として、産地や地域が前面に出ることは重要だ。なぜなら、地域独自のものであることがその商品のアイデンティティになるからだ。「サイダーを売るのをやめて、中川町を売りましょう!」そう提案してから、「ナカガワのナカガワ」プロジェクトは始まった。

「中川」の「中側」に価値がある

当初は、中身をなるべく見せないことで、「中側」に興味を持ってもらう仕掛けを施した。サイダーのパッケージデザインから発展して、町の案内パンフレット、観光ポスター、東京のサテライトショップ、Webサイトなど、中川町のブランディングに発展していった。首相官邸で表彰を受けたことも。特産品も順調に種類を増やして行き、雑誌やメディアへの露出も増えた。人口千数百人の小さな町だが、「何もない」と腐らず、次々と新しい取り組みが行われている。プロジェクトが始まって10年以上が経つ。課題はまだまだたくさんあるが、これからが楽しみな町だ。

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